おはようございます。
練馬区議会議員の佐藤力です。
もし、巨大地震と火山の噴火が同時に起きたら――。
今回は、南海トラフ地震と富士山噴火が連動して発生する可能性と、それによって首都圏、特に東京都にどのような影響が及ぶのかを解説します。
過去の事例や最新のシミュレーションデータをもとに、「地震と噴火が連動する現実的リスク」と、「今、私たちが取るべき備え」についてお伝えします。
目次
南海トラフ地震との関係
南海トラフとは、静岡県沖から九州沖にかけて広がる海底の溝のこと。この地域では、100〜150年周期で大規模な地震が繰り返し発生しています。
最後に発生した「昭和南海地震」は1946年。次の地震がいつ起きてもおかしくない状況です。
注目すべきは、1707年の「宝永地震」。この巨大地震のわずか49日後、富士山が「宝永噴火」を起こしました。
つまり、大地震が火山噴火を誘発する可能性が歴史的に確認されているのです。
さらに、世界でも同様のケースが確認されています:
- 1991年:ピナツボ火山噴火(1990年の地震の11カ月後)
- 2004年:スマトラ沖地震後、数火山が順次噴火
- 2011年:東日本大震災後、22の火山で活動活発化
富士山もまた、300年以上噴火しておらず、蓄積されたエネルギーの大きさが次の大噴火の規模を増す可能性があると指摘されています。
もし富士山が噴火したら
仮に今、宝永噴火と同規模の噴火が起きた場合、最大のリスクは「火山灰」です。
気象庁のシミュレーションによると、
- 神奈川県相模原市:約30cm
- 東京都新宿区:約10cm
- 東京都心・練馬区を含む広範な地域が影響
特に冬季には偏西風の影響で、関東平野全体に火山灰が拡散する可能性があります。
火山灰による首都圏の被害
火山灰による被害は、数センチで交通が停止し、10cmで都市機能が麻痺します。
- 鉄道・航空機が停止
- 道路はスリップにより通行困難
- 30cm以上で木造家屋が倒壊の恐れ
- 火山灰が下水を詰まらせる
- 呼吸器や機械類に深刻なダメージ
しかも、火山灰は水に溶けず固まるため、除去作業に数カ月〜数年が必要です。
東京都の試算では、最大2兆5000億円の経済損失が発生する可能性があるとされています。
複合災害への備えとは
地震と噴火を「別々の災害」と考えるのではなく、連動する可能性を想定して備えることが重要です。
具体的な備え:
- ✅ マスク・ゴーグルなど火山灰対策グッズの準備
- ✅ 電車が止まった際の徒歩帰宅ルートを確認
- ✅ 水・食料を最低3日分、できれば1週間分備蓄
- ✅ 自宅の耐震化と防災リュックの用意
まとめ
南海トラフ地震と富士山噴火が同時に起こる――。
そんな最悪のシナリオは「ありえない話」ではありません。
しかし、知っていれば備えることができる。そして、備えていれば被害を最小限に抑えることができます。
ぜひ今、家庭や職場で防災について話し合い、「複合災害への備え」を確認してみてください。
