こんにちは。
練馬区議会議員の佐藤力です。
先日、私が副委員長を務める練馬区交通対策等特別委員会で視察を行いました。
視察内容は、福井県永平寺町のレベル4自動運転と、富山駅の連続立体交差事業。
今回は、富山駅の連続立体交差事業の取り組みをご紹介いたします。
富山駅の連続立体交差事業
連続立体交差事業を行うところはどこもそうですが、都市部において、鉄道や踏切により、開かずの踏切問題や、歩行者が多く、また、狭い歩道による危険な交通環境、地域の分断、さらには、富山駅特有の課題として、アンダーパスの冠水(水害)などの課題を解消するために、実施されました。
当初、国の連続立体交差事業に対する助成は、踏切を除却することが条件とされていたため、踏切ではなく、アンダーパスとしていた富山駅は対象外となっていました。
その後、平成12年に条件が緩和され、富山駅も対象になり、また、北陸新幹線(長野~富山)が事業認可されたことにより、本格検討に移行し、平成17年度に事業認可されました。
平成26年度には北陸新幹線長野・金沢間が開通し、平成30年度に『あいの風とやま鉄道線』の高架化が完了しました。
現在、地鉄線の高架化に向けて、工事が進められています。
鉄道の高架化により、アンダーパスが解消され、幅広の自由通路を整備したことにより、人々のスムーズな往来ができるようになるなど、交通環境の改善が図られました。
また、駅周辺の土地利用も活性化し、民間不動産投資が増え、ホテルや商業施設が建設されるなど、地域のにぎわいが創出され、地価公示価格も平成13年度比で約144%も上昇しています。
さらには、市民の貴重な交通機関である鉄道『富山港線』が赤字のため、廃止される流れとなる中で、市が路面電車(ライトレール)化し、事業を存続させました。
現在では、日本を代表するライトレールとなり、収益面も改善が図られているとのことです。
富山駅のさまざまな事業効果は、連続立体交差事業だけでなく、新幹線の開通による影響が大きいと感じるものの、それだけでは、これだけの効果は生み出せなかったと思います。
練馬区においても、西武新宿線の連続立体交差事業が進められています。
高架化による交通環境の改善を図るとともに、地域の再整備による賑わいの創出をどのように行っていくかがカギとなります。
富山駅の事例も参考にしながら、これからのまちづくりに活かしてまいります。