こんばんは。
練馬区議会議員の佐藤力です。

今週の佐藤力チャンネルのテーマは、「練馬区障害者の意思疎通に関する条例」についてです。
「障害者の意思疎通に関する条例」とは何なのか。この条例で何が変わるのかなどについてお話していきます。

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●練馬区障害者の意思疎通に関する条例

「練馬区障害者の意思疎通に関する条例」とは何なのかというと、簡単に言うと、障害者一人一人の障害特性に応じたさまざまなコミュニケーション手段を充実させることで、障害者の方の社会参加を促し、共生社会の実現を目指すことを目的としています。

どういうことかというと、障害をお持ちの方は、耳が聞こえなかったり、目が見えなかったり、言葉がうまく出なかったりして、日々の生活の中でコミュニケーションをうまく取ることができない方が多くいらっしゃいます。
そこでできたのが、手話や点字、要約筆記といった意思疎通手段です。

ただ、私もそうですが、皆さんの中で、手話や点字が読めるという方はどれくらいいらっしゃるでしょうか。
そう、多くはないと思います。

つまり、障害者の方にとって、自分の想いを受け取ってくれる人が少なく、ちゃんとコミュニケーションを取ることが難しい状況にあります。
例えるなら、日本人がアフリカにいるようなものです。
お互いに言語が分からないと、意思疎通することは難しいですよね。
そうなると、なかなか街に出て積極的に活動するのはしんどくなるため、閉じこもりがちになってしまいます。

その状況を改善するために、障害のあるなしに関わらず、みんながお互いを理解し、尊重し合いながら、さまざまな意思疎通手段を充実化させることで、障害者の方の社会参加を進めていこう。
そのために、行政はもちろんのこと、区民の方や事業者の方も力を貸してくださいね、というのがこの「障害者の意思疎通に関する条例」の主旨となっています。

現在、条例案に対するご意見を募集しています。
募集期間は３月14日（月）まで。

▼詳しくは以下をご覧ください
https://www.city.nerima.tokyo.jp/kusei/pubcom/oshirase/040214pabukome.html

今後のスケジュールとしては、今年６月に開催する練馬区議会第二回定例会において、条例案が提出され、議決後速やかに施行する予定となっています。

この条例案を見ていただければ分かりますが、具体的な政策を書いているわけではなく、基本的な考え方や姿勢を提示した理念条例となっています。
そのため、練馬区では、条例制定に合わせて、障害者の意思疎通支援を充実化するために、さまざまな施策を実施する予定となっています。

●障害者の意思疎通支援の充実

全部で４つあるのですが、一つ目が、「ＩＣＴを活用した遠隔手話通訳」です。
すべての区役所の窓口において、タブレット端末を活用して、手話オペレーターが、職員と来庁者の会話を通訳します。

二つ目が、「区からの郵送物への配慮」です。
区からの郵送物に、送付内容が分かる音声コードを添付します。
また、税金や選挙などの重要な文書には、希望に応じ、点字シールを添付したり、文書の発送をメールでお知らせします。

そして、三つ目が、「情報支援機器の利用支援」です。
現在、技術の発達により、様々な意思疎通を支援する機器が開発されています。
特別な機器を使わなくても、スマートフォン一つでアプリを入れれば、文字を音声で読み上げたり、反対に、音声を文字にして表示してくれたりなど、することができます。
ただ、なかなか知られていないこともあり、利用が進んでいない現状です。
そこで、今回、練馬区立美術館の近くにある、心身障害者福祉センターにおいて、ＩＣＴ活用など情報支援機器の利用を支援する団体と連携し、情報支援機器の相談や体験、貸出、操作方法のサポートなどを開始します。
また、重度障害者の支援のために、障害者施設の職員などを対象とした情報支援機器の研修を実施します。

最後、四つ目が、「コミュニケーション理解の促進」です。
区民の方や事業者向けに様々な生活場面ごとに具体例を示したコミュニケーションガイドブックを作成します。
また、そのガイドブックを活用して、小売店などの事業者向け研修や区民向けの「（仮称）コミュニケーションパートナー養成講座」を実施します。

以上４つが、来年度から新しく始める支援内容となっています。
コミュニケーションガイドブックができましたら、また、お知らせさせていただきますので、ぜひご覧いただき、活用していただければと思います。

私自身、これからも、障害の有無にかかわらず、誰もが輝ける共生社会の実現に向けて、尽力してまいります。