こんばんは。
練馬区議会議員の佐藤力です。
さて、今回のテーマは、「一般質問で取り上げた『観光施策』」についてです。
9月に練馬区議会自由民主党を代表して一般質問を行いました。そこで取り上げた5つのテーマのうち、今回は『観光施策』についてお話していきます。
●一般質問で取り上げた『観光施策』
一般質問とは、本会議の場において、各議員が練馬区に対して45分間の持ち時間の中で質疑応答することを言います。
今回の一般質問で取り上げたテーマは、観光施策の他、災害対策や子育て支援、光が丘地域のまちづくり、スポーツ振興の5つとなっています。
今回の動画では、そのうち、『観光施策』について解説していきます。
その他の内容については、以下のリンク先をご覧ください。
https://satoriki.net/blog/7115/
●日本の観光産業
先日、外国為替市場で円が一時1ドル=151円台に下落し、32年ぶりの円安水準を更新しました。
急速な円安の進行は、食材やエネルギーなど輸入品価格を押し上げ、現在の物価高騰の一因になっています。
その一方で、輸出の増加や生産拠点の国内回帰、インバウンド需要の拡大に期待する声が挙がっています。
令和元年の日本の観光産業の消費額は28兆円で、国内で5番目に大きな産業規模となっています。
そのうち、インバウンドが占める割合は、約17%の4.8兆円となっています。
世界観光機関の報告では、世界的な旅行需要が毎年5~6%ずつ伸びており、また、政府は、新型コロナウイルスの影響が見通せないものの、2030年における訪日外国人観光客数の目標を、コロナ前の倍の6,000万人としています。
観光産業は今後も拡大することが予想され、少子高齢化、人口減少という大きな課題を抱えている日本を支える中心的な産業の一つになると考えています。
●練馬区における観光
練馬区においても、地域をさらに活性化させていくために、国内観光客およびインバウンド需要をしっかりと地域経済に取り込んでいくことが重要になってきます。
来年は、としまえん跡地に「スタジオツアー東京‐メイキングオブハリー・ポッター」が開園し、また、植物学者の牧野富太郎博士を題材にしたNHK連続テレビ小説「らんまん」が放映されます。
新型コロナウイルスの影響で、インバウンド需要が見込めない中ではありますが、その分、日本全国から多くの観光客が練馬の地を訪れることが期待されます。
練馬区としては、このチャンスを活かし、いかにして来場者に練馬の街を周遊いただけるかが重要となってきます。
●スタジオツアー東京‐メイキングオブハリー・ポッター
西武鉄道もスタジオツアー東京に対する期待は高く、池袋駅は、イギリス・ロンドンにある「キングスクロス駅」を参考に改修し、スタジオツアー東京への玄関口として、世界観を創り上げ。
豊島園駅は、ホグワーツ魔法魔術学校へ向かう「ホグズミード駅」を彷彿とさせるホームにし、さらにハリー・ポッターの世界に没入できる空間に変えていくとしています。
つまり、練馬区を訪れる方は増加しますが、練馬区を周遊してもらうための戦略を立てて策を講じなければ、練馬区は素通りされ、全く恩恵が得られない状況になってしまうことが危惧されます。
スタジオツアー東京は、遊園地のような一日中遊びまわる施設ではなく、滞在時間は半日程度の施設になるようなので、前後のゆとりのある時間を練馬区で楽しんでもらえるよう、文化・芸術やアニメ、都市農業など練馬区の魅力を一つのパッケージにした、多彩な魅力があふれるツアーを開発することが大事であると考えます。
また、スタジオツアー東京を楽しんだ方を逃すことなく、練馬ツアーへと誘うために、豊島園駅付近に観光案内所を新設するなど、区外や海外の方に対して練馬区の魅力をPRする仕掛けづくりが必要であると考え、練馬区の所見を伺いました。
練馬区からは、「ハリー・ポッター・スタジオツアー東京のオープンにより、区内外から多くの来場考が見込まれ、練馬の魅力をPRする絶好の機会と考えている。今後、ワーナーブラザースや地元商店会などを構成員にした連絡会等の議論を踏まえ、スタジオツアー施設来場者の区内周遊を促進するための取組などについて検討していく」との回答でした。
その後も、決算特別委員会などでも質疑を行いましたが、非常に気になる点として、「ハリー・ポッターの施設は練馬の魅力をPRする絶好の機会である」ということに答弁が終始している点です。
確かに、PRの機会にはなりますが、区民にとって大事なのは、いかにこのチャンスを活かして、観光客に練馬区でお金を落としてもらい、区内の地域経済が活性化し、税収も増え、区民生活が豊かになるのかという点であると思います。
この部分が、正直、練馬区からは見えてこないのが気がかりです。
引き続き、練馬区の発展に通じる観光施策の充実に取り組んでまいります。