【練馬区】来年度スタート!「5歳児健診」—問診票・医師会連携・フォローアップまで区の答弁をわかりやすく解説/発達性ディスレクシア支援も

おはようございます。
練馬区議会議員の佐藤力です。

今回は、来年度から始まる5歳児健康診査と、その後の相談・支援の仕組み、さらに発達性ディスレクシアへの学校での対応や合理的配慮、ICT活用まで、5つのパートに分けて分かりやすくご紹介します。

5歳という時期は、就学前の大切な節目です。ここで子供一人ひとりの特性をできるだけ早く把握し、必要な支援につなげられるかどうかは、その後の育ちや学びに大きく関わります。だからこそ、健診を「やって終わり」にせず、相談、療育、就学、学校生活へとつなげる仕組みが重要です。

今回は、区議会での答弁を踏まえながら、何が前進したのか、そして今後どこをしっかり見ていくべきかを整理していきます。

目次

1.5歳児健康診査は「何を」「どうやって」行う?
2.いちばん大事な「健診のあと」—相談・支援につながる仕組み
3.フォローアップの肝:情報共有と“健診の改善”まで回す
4.発達性ディスレクシアとは?学校はどう早期発見・支援する?
5.合理的配慮とICT活用—学校間の差をどう埋めるか

1.5歳児健康診査は「何を」「どうやって」行う?

まず、来年度から始まる5歳児健康診査です。これは、子供の特性を早期に把握し、必要な支援や生活習慣の指導につなげるための重要な機会です。

今回、健康部長からは、その進め方について具体的な答弁がありました。

【健康部長答弁のポイント:実施方法】

  • 対象家庭に、事前に問診票を送付
  • 問診票の回答結果を踏まえて、医師の健診が必要とされた子供が受診
  • 問診票は、国が示す項目を基本にしつつ、より適切にスクリーニングできるよう、区医師会と内容を検討している

ここで大事なのは、最初の入口である「問診票」の精度です。国の示す標準的な項目をベースにしながら、区医師会と連携して、より適切に子供の特性や支援の必要性を把握できるよう工夫していく方向性が示されたことは、大きな意味があります。

5歳児健診は、単に一度チェックをする場ではありません。就学前のタイミングで、子供一人ひとりの困りごとや特性に少しでも早く気づき、その後の支援につなげる“入口”として、非常に重要です。

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2.いちばん大事な「健診のあと」—相談・支援につながる仕組み

私が質疑で特に強く問題提起したのは、まさにこの「健診のあと」です。健診で「心配な点がある」と分かっても、その後に相談や療育、医療へとつながらなければ、実効性は十分とは言えません。

現場では、すでにさまざまな“接続の壁”があります。

  • 相談予約が取りづらい
  • 療育機関や医療機関が見つからない
  • 予約が取れても、かなり先になってしまう

このような状況では、せっかく早期に気づけても、支援が遅れてしまう可能性があります。

この点について、健康部長は次のように答弁しました。

【健康部長答弁のポイント:健診後の支援】

  • 健診の結果、心配のある子供については、保健相談所が中心となる
  • 関係機関と連携しながら、一人ひとりに応じた支援に取り組む

さらに、福祉部長・健康部長の答弁では、支援の受け皿についても具体的に示されました。

【福祉・健康の答弁のポイント:受け皿】

  • こども発達支援センターは、発達相談から医師の診療、療育までを一体的に提供
  • 健診で心配がある子供は、関係機関が連携して相談支援へつなぐ
  • 健診後から就学までの短期間で利用できる、区独自の療育プログラムを実施し、子供と保護者を支援する

ここで非常に重要なのは、「保健相談所が中心になって動く」と明言されたことです。どこが司令塔なのかが曖昧なままだと、保護者はどこに相談すればよいのか分からず、結果としてたらい回しになりかねません。

支援の実効性は、制度の有無だけでなく、誰が責任を持ってつなぐのかで大きく変わります。だからこそ私は、今後もこの運用が本当に機能するのか、しっかり確認していきたいと考えています。

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3.フォローアップの肝:情報共有と“健診の改善”まで回す

今回の健康部長答弁で、もう一つ重要だったのが、フォローアップの設計です。

【健康部長答弁のポイント:フォローアップと改善】

  • 受診後の子供について、就学時健診の結果や入学後の学校生活の様子なども確認する
  • 区医師会をはじめ関係機関と、教育・福祉・健康など各所管で情報共有する
  • 健診やフォローアップの充実に取り組む

これは非常に大事です。健診は、ともすると「実施した」で終わってしまいがちです。ですが、本当に必要なのは、その後どうだったのかを追いかけることです。

就学時健診ではどう見えたのか。入学後の学校生活ではどのような様子だったのか。支援は早く届いたのか。実際に困りごとの軽減につながったのか。こうした結果を確認し、関係機関で共有し、必要に応じて健診や支援のやり方を改善していく。つまり、「回していく仕組み」をつくることが重要です。

私が質疑で投げかけた論点は、大きく言えば2つでした。一つは、健診の実効性を左右する「その後の接続」。もう一つは、「検証と改善」です。

このうち少なくとも後者については、今回、情報共有とフォローアップの充実に取り組むと明確な答弁がありました。今後は、この仕組みが実際にどこまで機能するのかを、丁寧に見ていく必要があります。

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4.発達性ディスレクシアとは?学校はどう早期発見・支援する?

次に、学習障害(LD)の中でも、私が特に質問したのが発達性ディスレクシア、いわゆる発達性読み書き障害です。

これは、知的発達に遅れがないにもかかわらず、読むことや書くことに困難がある状態を指します。しかし、この困難さは周囲から見えにくく、気づかれにくいという特徴があります。

そのため、本人が「努力不足」と誤解されたり、「やる気がない」と受け取られたりしてしまうことがあります。その積み重ねが、自己肯定感の低下や学習不振、さらには不登校につながるリスクも指摘されています。

そこで私は、実態把握と支援のつなぎ方、そして早期支援の体制整備について確認しました。あわせて、読み書き学習が本格化する小学1年生の2学期頃に、全員を対象としたスクリーニング検査を行うことも要望しました。

【教育長答弁のポイント】

  • 就学時健診の時期では正確な判断が難しいため、入学後に教員が丁寧に観察し、早期発見につなげる
  • その後、個別指導計画を作成し、支援へつなげる
  • 学校間で差が出ないよう、教員研修を通じて理解促進、合理的配慮の取組、支援事例の共有を進める
  • タブレット等を活用して書く負担を軽減し、個々に応じた教材等によって学習意欲につなげる

就学時健診の段階では、発達性ディスレクシアを正確に見極めるのは難しい。だからこそ、入学後の丁寧な観察と早期の支援開始が重要になります。

この分野は、気づくのが遅れるほど、本人の苦しさが積み重なりやすい領域です。「早く見つけて、早く支える」体制をどう整えるかが、今後の大きな課題です。

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5.合理的配慮とICT活用—学校間の差をどう埋めるか

合理的配慮について、私は具体例としてルビ振りを挙げました。読み書きに困難がある子供にとって、こうした配慮は学びへのハードルを下げる大切な支援です。

ところが現場では、「特別扱いではないか」といった迷いや遠慮から、判断が遅れてしまうことがあります。その結果、支援の質が学校によって、あるいは担任によって大きく異なってしまう。こうした声は少なくありません。

教育長答弁では、教員研修による理解促進や、支援事例の共有を進める考えが示されました。これは前進ですが、今後さらに重要になるのは、「どの学校でも適切な支援が当たり前に受けられる状態」をつくることです。

また、ICTの活用も大きな鍵になります。タブレット端末の活用によって、書く負担を軽減したり、読み上げ機能や個別に応じた教材を使ったりすることで、子供の学びやすさは大きく変わります。

合理的配慮は、特別な優遇ではありません。その子が持っている力を発揮できるようにするための、必要な環境調整です。

学校ごとの差を縮め、支援を“当たり前の標準”にしていくこと。そしてICTも含めて、現場で使いやすい形で支援を実装していくこと。これが、今後の教育行政に求められる重要な視点だと考えています。

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まとめ

今回の質疑を通じて見えてきたのは、5歳児健康診査そのものも大事ですが、それ以上に大切なのは「健診のあと」をどう支えるかだということです。

問診票の精度を高めること。保健相談所が中心となって、相談・療育・医療へとつなぐこと。就学時健診や入学後の様子まで含めて情報共有し、健診やフォローアップを改善していくこと。そして、発達性ディスレクシアを含む学びの困難に対して、学校現場で早期発見と合理的配慮、ICT活用を進めていくこと。

こうした仕組みが一つにつながって、はじめて「早期に気づき、早く支える」体制が機能します。

子供の困りごとは、早く気づいて早く支えるほど、将来の可能性を広げやすくなります。一方で、気づくのが遅れ、支援につながらなければ、本人にも保護者にも大きな負担がのしかかります。

だからこそ私は、制度を作って終わりではなく、実際に現場で機能するのか、保護者にとって使いやすいのか、学校間で差が出ていないかという点まで、引き続きしっかり確認していきます。

子供一人ひとりが、自分らしく安心して育ち、学べる練馬区をつくるために、これからも現場目線で取り組んでまいります。

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