こんにちは。
練馬区議会議員の佐藤力です。
11月13、14日、練馬区議会 交通対策等特別委員会で視察に行ってきました。
行先は宮城県栗原市と仙台市。
視察の目的は、「乗合デマンド交通」と「地下鉄整備による効果とまちづくり」についてです。
まずは、1日目の栗原市における「乗合デマンド交通」についてご紹介いたします。
栗原市は、平成17年に旧栗原郡10町村が合併してできた市で、人口約68,000人、面積約805k㎡。
練馬区の10分の1に満たない人口ながら、約17倍の面積を有する市です。
公共交通は、市の東端に新幹線とJRが通っていますが、大部分は路線バスに頼っている状況です。
しかし、市民バスは、利用者の減少やバス停までの距離が遠い方、外出手段を持たない高齢者への対応が課題となり、利用促進を目的に、運賃100円化や乗合デマンド交通を導入しました。
乗合デマンド交通とは、事前に予約した利用者の自宅から地区内の拠点までを運行する公共交通機関です。
利用料金は、距離にかかわらず一律300円。
車両は、5人乗りのセダン、または、10人乗りのワゴン。
受付は地区ごとに事業者の事務所などで行っています。
運営は、地元タクシー組合に委託。
委託料は、今年度1億3,000万円。
行先は決まった場所ではありますが、自宅まで来てくれる便利さに加え、距離にかかわらず300円という低価格。
「タクシー業界からの反発はなかったのか?」
担当者に伺ってみましたら、
「なかった」
とのことでした。
明確な理由まではお答えいただけませんでしたが、色々と聞いてみた限りでの私の推測としては、
・そもそも事業委託先をタクシー業界にしたこと
・利用者の多寡にかかわらず、年間1億3,000万円という固定収入が得られること
が挙げられると考えます。
今年度の利用見込みは、9月までの実績ベースで推測すると、3万人。
利用者からの収入(利用料金の合計)は、900万円。
つまり、栗原市の負担は、1億2,100万円に上ります。
登録利用者数は約1,700人で、人口の約2.5%。
利用一回当たりの金額は、約4,300円。
練馬区においても、交通空白地域があり、それを補完する形で、みどりバスが運行しています。
しかし、バスの便数が少ない、終バスの時間が早い、バス停まで遠いなどの課題を抱えています。
課題解決策として乗合デマンド交通はありだと思いますが、これだけの財政負担があることを考えると、他の手段を検討すべきだと思いました。
次回は、 仙台市における「地下鉄整備による効果とまちづくり」 についてお伝えいたします。