こんばんは。
練馬区議会議員の佐藤力です。
今週の佐藤力チャンネルのテーマは、「ヤングケアラー」についてです。
ヤングケアラーとは何か。何が課題なのか。今後の対応はどうするのかなどについてお話していきます。
●ヤングケアラーとは
ヤングケアラーとは、障害や病気のある家族に代わり、買い物・料理・掃除・洗濯などの家事をしていたり、家族に代わり、幼いきょうだいの世話をしている子供のことを言います。
これだけ聞くと、どこにでもいそうな子ではないかと思う方もいらっしゃるのではないかと思います。
私の子供も下の子の面倒をよく見てくれていますし、こういった家族のお手伝いをするという経験は、その後の人生に活きていくと考えています。
そういった中で、何が問題かというと、家のことをすることで、遅刻や早退、欠席が増えたり、勉強の時間が取れないなど、学業への影響や、自分にできると思う仕事の範囲を狭めてしまうなど就職への影響、友人と遊ぶことができない、悩みを話せる人がいなくて孤独を感じる、睡眠が充分に取れないなど、他の生活の部分にまで影響が拡がってしまっている子供がいます。
また、それを当人が当たり前のことと考えるため、問題として顕在化しづらく、そのため、行政など周囲の支援がなかなか届いていないことが課題となっています。
令和2年度の厚生労働省の調査では、中学2年生の17人に1人がヤングケアラーであるという結果が出ています。
また、平日1日あたりの世話に費やす時間としては、中学2年生は平均4時間、高校2年生は平均3.8時間とのことです。
●練馬区の対応
練馬区としては、令和4年度に区内の小中学生を対象に実態調査を行います。
また、早期発見、早期支援につなげるために、啓発用リーフレットを制作し、配布するとともに、学校など教育部門や子育て部門、福祉部門の現場職員への研修を実施します。
さらには、それぞれの部門が連携して、情報共有をしながら、相談・対応できる体制の強化を図っていきます。
●相談先
もし現在、お困りの方がいましたら、私でもいいですし、通っている学校にいるスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなど身近な方に気軽に相談してみてください。
また、「24時間子どもSOSダイヤル」や「Yancle community(ヤンクルコミュニティ)」といった主に40歳以下のヤングケアラー・若者ケアラーのためのオンラインコミュニティなどもあります。
▼相談窓口はこちら▼
https://www.mhlw.go.jp/young-carer/#consultation
●ヤングケアラー対策のこれから
以前からヤングケアラーに対する問題提起はありましたが、なかなか問題が顕在化してこなかったため、対応が遅れていました。
今回、国も本腰を入れてヤングケアラー対策に乗り出しています。
決して家族のケアを担うということは悪いことではなく、よい経験であると思います。
しかしながら、度が行き過ぎてしまい、子供たちが本来やるべきことができなかったり、孤独で悩みを抱えてしまっている状況は変えていかなければなりません。
ぜひ「私もそうかも」「当たり前だと思っているけど、やっぱ大変」といった方がいましたら、まずは気軽に話をしてみてください。
その声が支援の輪を拡げ、新たな制度をつくることにつながります。