こんばんは。
練馬区議会議員の佐藤力です。
今週の佐藤力チャンネルのテーマは、「こどもホスピス」についてです。
先日、横浜市にある「こどもホスピス」を超党派の有志で視察しました。「こどもホスピス」とは何なのか。現在の子供たちの終末期医療の課題などについてお話していきます。
●こどもホスピス
さて、皆さんは「ホスピス」という言葉を聞くと、どんなイメージを思い浮かべるでしょうか。
「緩和ケアや終末期医療を行う場所」であったり、人によっては「死を待つだけの場所」「諦めた人がいる場所」などと思っている方もいるのではないでしょうか。
しかしながら、「こどもホスピス」は違います。
子供たちを看取るためではなく、残された時間を、家族と一緒に豊かに生きるための場所です。
ここでつくられた楽しい想い出は、そのときだけでなく、その後も、ご家族の記憶に残り、前を向いて歩んでいく力を与えてくれる。
そんな場所が「こどもホスピス」です。
先日、昨年11月にできた「横浜こどもホスピス~うみとそらのおうち」を視察しました。
この施設は、「こどもホスピス」の設立を夢見た看護師の方からの遺贈をもとに、ご遺族の方や、医療・教育関係者、ボランティア、そして、地元自治体である横浜市や民間企業などの協力によって開設された施設です。
この施設を運営する団体の代表理事である田川尚登(たがわひさと)さんは、脳腫瘍で6歳のお子さんを亡くされています。
この辛い経験から「こどもホスピス」の必要性を痛感し、開設に向けて尽力されました。
▼「横浜こどもホスピス」HP▼
https://childrenshospice.yokohama/ych/index.html
小児がんなど命を脅かされる難病を患っている15歳以下の子供の数は、日本全国に約20万人います。
そのうち、1割の約2万人の子供たちに、命のタイムリミットが迫っていると言われています。
そのような子を持つ家族は、なかなか周りに相談できる方もおらず、外出もままならないため、家に閉じこもりっきりとなり、社会から孤立してしまう方が多くいらっしゃいます。
海外を見ると、例えば、イギリスでは中核市には必ずこどもホスピスがあり、他の国々でも介護保険や健康保険などによる公的な支援があるなど、社会や地域でご家族を支えています。
しかしながら、日本においては、そういった制度はありません。
そのため、「横浜こどもホスピス」は寄付とボランティアによって支えられています。
開設にあたっては、施設の建築費や運営費のために、年5回以上チャリティーコンサートを開催するなど、4年をかけて3億円もの寄付を集められました。
また、横浜市からは、土地の無償貸与や、5年分の看護師1名分の給与が補助されています。
さらに、開設されてからは、年間5,000万円弱の経費がかかるため、チャリティーコンサートの開催や、サポーター会員の募集、クラウドファンディングの実施などによって、運営費を寄付で集めています。
▼「横浜こどもホスピス」への寄付について▼
https://childrenshospice.yokohama/support/donation.html
今度、4月29日には「こどもホスピスチャリティーフェスティバル」が開催されます。
大和田美帆さんや斎藤守也さんなどによる音楽演奏やトークショーなど、大人も子供も楽しめるとともに、「こどもホスピス」についてもっと詳しく知ることができるイベントとなっています。
開催は、会場とオンラインのハイブリットで実施されます。
すでに会場の方は定員に達してしまいましたが、オンラインの方は人数制限はありません。
アーカイブ配信もされますので、29日は忙しくて参加できないという方でも大丈夫です。
この動画では伝えきれないことがたくさんありますので、ぜひこのイベントを通じて、田川代表の想いをお聞きいただければなと思います。
イベントについて詳しくは以下をご覧ください。
▼イベントの詳細▼
https://childrenshospice.yokohama/news/event/20220315.html
「こどもホスピス」は、日本にはまだ横浜と大阪の2か所しかありません。
こどもホスピスを利用することで、生きることを諦めるのではなく、楽しい時間を子供と家族が一緒に過ごし、前向きにこれからの時間を生きることができます。
こどもホスピスを取り巻く環境は、まだまだ課題が多くあります。
日本各地にこどもホスピスができ、より多くの子供や家族が楽しい時間を過ごせるようになるために、尽力してまいります。