こんばんは。
練馬区議会議員の佐藤力です。
さて、今回のテーマは、「練馬区の救急医療体制」についてです。
先日、順天堂練馬病院が三次救急の候補医療機関に選定されましたので、今回はこのことについてお話していきます。
●練馬区の救急医療体制
さて、これまで要望していた練馬区内の三次救急指定病院の設置について、先月25日、東京都救急医療対策協議会において、順天堂練馬病院が三次救急の候補医療機関に選定されました。
来月から3か月の試行期間に入り、その実績を踏まえ、年度内には、三次救急指定病院として指定される見込みとなっています。
そもそも、救急指定病院とはどんな病院かといいますと、消防法の「救急病院等を定める省令」によって定められており、救急患者の診療に協力できるという旨を、都道府県に申し出た医療機関のうち、認定条件を満たし、かつ都道府県知事が認めた病院・診療所のことを指します。
救急業務は、都道府県ごとに作成される医療計画において、一次、二次、三次救急の3段階に分かれた、救急医療体制が整備されています。
一次救急(初期救急)とは、入院の必要がなく帰宅可能な軽症患者に対して行う救急医療のことです。
ほとんどの方が、患者ご自身、または、家族など身近な人に付き添ってもらって病院に行きます。
一次救急の診療は、都道府県に配置されている休日夜間急患センターや、練馬区においては練馬区役所と石神井庁舎にあるほか、救急指定を受けている地域の開業医や病院が1日ずつ在宅当番制で対応しています。
次に、二次救急についてですが、入院治療や手術を必要とする重症患者に対応する救急医療となっています。
いくつかの病院が当番日を決めて救急医療を行なう「病院群輪番制」や、「共同利用型病院方式」が取られています。
通常、入院や手術を必要として救急車で搬送されるのは、この二次救急指定病院で、24時間体制で受入れを行っています。
そして、今回の三次救急についてですが、一次、二次救急では対応ができない重篤な疾患や怪我に対する救急医療となっています。
三次救急の指定を受けている病院には、救命救急センターや高度救命救急センターが設けられており、24時間体制で救急患者の受け入れを行っています。
また、三次救急の指定を受けている病院は救急医療の教育機関としての役割もあり、医師や看護師、救急救命士などが日々救急医療を学んでいます。
その他に、「救急病院等を定める省令」に基づき、都道府県知事が認定する救急告示医療機関というものもあります。
練馬区の救急指定病院等の状況についてですが、この表のとおり、救急告示医療機関が8施設、二次救急が6施設で、三次救急は一軒もありません。
練馬区の救急搬送件数を見てみると、ちょっと古いデータですが、約6割が区外の医療機関に搬送されています。
この要因の一つとして、平成28年のデータになりますが、人口10万人当たりの二次救急医療機関数は、東京都や医療圏の平均と比較し、練馬区は約半分となっており、医療機関自体が少ないことが挙げられます。
また、平成26年の搬送件数 30,696件のうち 3%にあたる1,052件は、救命救急センター(三次救急医療機関)での治療が必要であったため、近隣の救命救急センターに搬送されています。
救命救急センターに搬送される方は、1分1秒も争うような、重篤な疾患や怪我をされている方です。
練馬区内の身近なところに、救急医療機関があるのとないのとでは、安心感が大きく違ってくると思います。
この図を見ていただければわかりますが、三次救急指定病院にある救命救急センターは、都心に集中しています。
今回、順天堂練馬病院が三次救急指定病院に指定されれば、環八を経由して、救命救急センターのない杉並や世田谷などもカバーすることができます。
引き続き、地域医療の充実に取り組んでまいります。