【視察】広島県のスタートアップ支援「イノベーション・ハブ・ひろしまCAMPS」

こんにちは。
練馬区議会議員の佐藤力です。

先日、私が委員長を務める練馬区議会区民生活委員会で視察を行いました。
一つ目は広島県のスタートアップ支援について、二つ目は岡山市の電子町内会についてです。

今回は、一つ目の広島県のスタートアップ支援について、解説していきます。

広島発「イノベーション・ハブ・ひろしまCAMPS」:地域に新たな価値を創出する挑戦

広島県は、産業や人口構造の課題を乗り越えるべく、「イノベーション立県」を目指しています。その中心的な取り組みが「イノベーション・ハブ・ひろしまCAMPS」です。LTS(ITコンサル)が受託するこのプロジェクトは、ビジネスの適応力(アジリティ)を高め、県内外のスタートアップや新規事業を支援するためのハブとなっています。


地域の課題と変革への決意

広島県は、かつて軍需都市として栄え、現在は自動車産業が根付いていますが、インフラコストが高く、生活費に占める割合が大きいことが課題です。また、若年層の「やってみたい仕事がない」「給与が高い仕事がない」という理由で転出が進んでおり、人口流出率は全国でもトップクラスとなっています。

この現状を打開するために、広島県は「イノベーション立県」を掲げ、スタートアップ支援に本腰を入れ始めました。目標は10年で10のユニコーン企業を創出し、持続的な雇用を生み出すことです。


「ひろしまCAMPS」の役割と仕組み

ひろしまCAMPSでは、ビジネスアジリティを強化し、スピーディーで柔軟な事業運営を可能にします。さらに、ビジネスだけでなく、ソーシャル(社会貢献)や文化形成をも重視し、地域に根付く強い産業の創出を目指します。

産業と支援の多層的な連携

  • ソーシャル&パブリックの視点で、公共と民間が協力するモデルを構築
  • フェーズごとの協力体制を整え、スタートアップの成長段階に応じた支援を提供
  • 規制緩和に向けた取り組みも県が協力し、事業活動の障壁を減少

広島県は、スタートアップから大企業まで幅広い事業体と連携し、成長できる土壌を整えています。


地政学的優位性と文化を活かした発展

広島は、地盤の弱さや平地の少なさといった地理的な制約がある一方、海岸沿いの立地や過去の歴史的背景が大きな強みとなります。三角州に位置し、軍拡都市から自動車産業へと転身を遂げた実績を活かし、新たなビジネスや文化を創出する基盤があります。

広島県の産業は、鉄鋼業、造船業、木工業、ゴムなど多岐にわたりますが、周辺都市に競合が多く「広島でなくてはならない」理由をつくる必要があります。そのための解決策として、スタートアップ支援とイノベーションの推進が重要視されています。


広島で未来を築く

GAFAなどの大企業を除けば、日本の企業成長率はS&PやTOPIXの成長とほぼ同水準です。そのため、広島県はスタートアップが地方発でもグローバルで競争できるようなエコシステムを構築し、「イノベーションから文化、文化から産業」を形成していくことを目指します。

ひろしまCAMPSを通じ、広島県は「未来の広島で働きたい」と思える仕事を生み出し、地域の魅力を高める取り組みを進めていきます。10年後に広島から誕生する10のユニコーン企業が、地域経済をけん引する存在となることを期待しています。


広島が持つポテンシャルを最大限に引き出し、イノベーションを通じて次世代に引き継がれる強い産業を築く――それが「イノベーション・ハブ・ひろしまCAMPS」のビジョンです。


アメリカ経済の強さの一つがスタートアップの存在であると考えています。
企業の時価総額ランキングを見ると、日本はほとんど変化がないのに対して、アメリカは大半が新しい企業に入れ替わっています。
ここにアメリカ経済が成長し続けている要因があると思います。

広島県が10年で10のユニコーン企業を創出するという目標を掲げています。
ユニコーン企業とは、企業価値を金額で表す評価額がUS$10億以上と評価される未上場のスタートアップ企業を指します。
ユニコーン企業は、急成長と革新性を特徴とし、多くの場合、新しい技術やビジネスモデルを持ち、社会に変革をもたらしています。
有名な企業を挙げると、イーロン・マスク氏のSpaceXや、チャットGPTのOpenAIといったものがあります。
国別のユニコーン企業数を見ると、トップはアメリカで703社、2位は中国で340社、3位はインドで67社となっています。
日本は12位で9社です。

ユニコーン企業とまでいかなくてもスタートアップ企業には、新たなビジネスモデルを構築し、社会に変革をもたらす可能性があります。
それが日本経済を発展させることにもつながっていきます。
また、地方自治体レベルにおいても地域の活性化に寄与すると考えます。

ユニコーン企業レベルのスタートアップ企業を創出していくことは、人口減少・少子高齢化といった大きな課題を抱える日本の経済を発展させていくために必要不可欠なことであると考えます。
広島県が掲げた「10年で10のユニコーン企業を創出する」といった非常に高い目標に対して、どれだけ本気度を持って取り組んでいくのか。
私は、キーは規制改革であると考えていますが。
どのような結果となるのか楽しみです。

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