おはようございます。
練馬区議会議員の佐藤力です。
近年の運転手不足や、労働環境や経営の改善などを背景に、バス運行事業者からの要望により、来月4月1日から再編する「みどりバス」について解説します。
みどりバスは、東京都練馬区が運行するコミュニティバスの愛称です。平成3年に試行運行が開始され、翌年から本格的に運行が始まりました。当初は「練馬区シャトルバス」や「練馬区バス交通実験」といった名称で運行されていましたが、平成21年7月に現在の「みどりバス」という名称に統一されました。
みどりバスのルートと運行状況
現在、みどりバスは6つのルートで運行されています。
- 保谷ルート(保谷駅北口 ~ 練馬光が丘病院)
- 北町ルート(練馬光が丘病院 ~ 東武練馬駅入口)
- 関町ルート(関町福祉園 ~ 順天堂練馬病院)
- 氷川台ルート(光が丘公園 ~ 氷川台駅 ~ 東武練馬駅入口)
- 大泉ルート(大泉学園駅を中心に循環)
- 南大泉ルート(保谷駅入口 ~ 武蔵関駅南口 ~ 関町福祉園)

これらのうち、4つのルートは西武バスが、2つのルートは国際興業バスが受託して運行しています。運賃は大人220円、子ども110円で、65歳以上の方や障害者手帳をお持ちの方は半額で利用できます。
みどりバスの課題と今後の取り組み
みどりバスの運行目的は、公共交通空白地域の改善や高齢者・障害者の交通利便性向上ですが、近年、運行経費の赤字が増加しています。コロナ禍以前は年間110万人以上が利用していましたが、現在は約80万人と利用者数が低迷しています。そのため、利便性向上やAIを活用したルートの最適化などが検討されています。
加えて、運転手不足や労働環境の改善を背景に、バス事業者からの要望もあり、2025年4月1日からルートの再編や運行回数の変更が実施されます。
2025年4月1日からの主な変更点

- 関町ルートと南大泉ルートを統合
- 運行間隔を60分から80分に変更
- 順天堂練馬病院の開院時間に間に合う便を新設
- 氷川台ルートの分割
- 「練馬北町車庫 ~ 光が丘公園(光が丘線)」
- 「北町小学校 ~ 練馬駅(練馬線)」
- 運行間隔を1時間に1便から2時間に1便へ変更
- 保谷ルートのダイヤ変更
- 日祝ダイヤを導入
- 朝1便・夕2便を削減
- 平日・土曜ダイヤを全便15分繰り上げ
- 大泉ルートのダイヤ変更
- 日祝ダイヤを導入
- 朝1便・夕2便を削減
みどりバスを取り巻く現状と未来
公共交通を取り巻く環境は全国的に厳しく、多くの自治体で路線バスの廃止や減便が進んでいます。例えば、昨年度は足立区でコミュニティバス3路線が廃止され、葛飾区でも一部路線が運休となりました。練馬区内でも、いくつかの路線バスが廃止されています。
こうした状況を受け、練馬区では令和8年度を目途に新たな地域公共交通計画の策定を進めています。その前段として、デマンドタクシーの実証実験も行っています。
住みよい街を目指して
どの業界でも人手不足が問題となっていますが、バスやタクシー業界の運転手不足は特に深刻です。身近な公共交通がなくなれば、移動が困難になる方が増え、地域全体の利便性が低下してしまいます。
練馬区では、今後もバスだけでなくデマンドタクシーを含めた新たな交通手段の導入を検討し、区民の移動しやすい環境を整えていく方針です。これからも誰もが暮らしやすい街づくりを進めてまいります。
