こんにちは。
練馬区議会議員の佐藤力です。
先日、総合・災害対策等特別委員会の視察にて、静岡県沼津市の「沼津市立総合体育館(香陵アリーナ)」を訪問しました。
目次
- 1. はじめに
- 2. 沼津市立総合体育館(香陵アリーナ)とは
- 3. 事業の概要と整備経緯
- 4. 財源とコスト削減の取り組み
- 5. 施設の特徴と活用状況
- 6. 防災拠点としての機能
- 7. プロスポーツとの連携
- 8. 設計とデザインの印象
- 9. 練馬区への示唆と今後の展望
- 10. おわりに
1. はじめに
老朽化した複数の体育施設を統合し、PFI事業を活用して整備された本施設は、スポーツ・防災の両面で非常に先進的な取り組みがなされており、練馬区の今後の施設整備にも大きな示唆を与えてくれました。

2. 沼津市立総合体育館(香陵アリーナ)とは
旧香陵運動場の跡地に整備された「香陵アリーナ」は、2022年度(令和4年度)に完成した新しい総合体育館です。沼津市が保有していた老朽化した複数施設を機能集約する形で整備されました。

3. 事業の概要と整備経緯
この事業は、平成24年度から基本構想の検討が始まり、10年をかけて整備されました。PFI方式(民間資金活用による社会資本整備)で一体的に整備され、結果的に約3%のコスト削減が実現されました。

4. 財源とコスト削減の取り組み
当初の事業費は127億円でしたが、物価高騰などにより最終的には132.7億円に増加。その内訳は以下のとおりです:
- 国庫支出金:5.6億円
- 市債:67.4億円
- 一般財源:59.7億円
市の負担割合は94%と大きく、維持管理運営費も年間約2.4億円にのぼります。
5. 施設の特徴と活用状況
敷地面積は14,569㎡、延床面積は16,600㎡と広大で、以下のような多機能施設を備えています。
- スポーツアリーナ(観客席2,030席、うち移動式1,008席)
- 武道場、弓道場、トレーニング室
- カフェ、接骨院、レンタサイクルなど
スポーツアリーナの稼働率は令和6年度には85%と高く、市民利用の活発さがうかがえます。

6. 防災拠点としての機能
- 立体駐車場は津波避難ビルに指定
- 最大1,500名を収容可能な避難所機能
- 太陽光パネルによる非常用電源の確保
地域防災の拠点としての役割も果たしています。
7. プロスポーツとの連携
設計段階からプロスポーツ興行を想定しており、
- Bリーグ:年2~4回
- SVリーグ:年8~10回
移動式の観客席は利用者による設営(約4時間)ですが、その利便性を考慮した設計がされています。

8. 設計とデザインの印象
外観はシンプルで無機質なデザインながら、内観はガラスを多用し光を取り入れる構造で、非常に明るく開放的。カラーリングも工夫されており、民間のスポーツジムのような雰囲気でした。

9. 練馬区への示唆と今後の展望
練馬区立総合体育館も老朽化が進み、特にバリアフリー対応が不十分です。今回の視察を通じて得た知見を活かし、区民の皆さまにとってより使いやすく、スポーツ意欲を高める施設へと更新していく必要があります。
また、プロアスリートの姿を身近で観戦できる機会は、区民のスポーツ文化醸成にもつながると実感しました。
10. おわりに
今後の練馬区の体育施設整備において、PFIの活用、防災機能の強化、プロスポーツとの連携といった視点は欠かせません。区民の皆さんが安心・安全に、そして楽しく利用できる体育館整備に向け、引き続き取り組んでまいります。
