【練馬区】災害対策|LINEによる災害情報発信・マンホールトイレの整備など


こんばんは。
練馬区議会議員の佐藤力です。

さて、今回のテーマは、「一般質問で取り上げた『災害対策』」についてです。
9月に練馬区議会自由民主党を代表して一般質問を行いました。そこで取り上げた5つのテーマのうち、今回は『災害対策』についてお話していきます。


●一般質問で取り上げた『災害対策』

一般質問とは、本会議の場において、各議員が練馬区に対して45分間の持ち時間の中で質疑応答することを言います。

今回の一般質問で取り上げたテーマは、災害対策の他、子育て支援、観光施策、光が丘地域のまちづくり、スポーツ振興の5つとなっています。

今回の動画では、そのうち、『災害対策』について解説していきます。
その他の内容については、以下のリンク先をご覧ください。
https://satoriki.net/blog/7115/

災害対策として取り上げたものは、大きく分けて、災害に強い住宅、適切な情報の伝達、家庭内のトイレ対策、避難拠点として運営上問題がある小中学校の体育館、災害協定の5つです。

●在宅避難のススメ

今年5月、東京都は、東日本大震災を踏まえて策定した「首都直下地震等による東京の被害想定」を10年ぶりに見直しを行いました。
練馬区において一番被害が発生すると想定されている地震のタイプは「多摩東部直下地震」で、練馬区全体の44.3%において震度6強の強い揺れを観測し、火災によって焼失する建物は約11,000棟にも上ります。
また、避難者数は約13万人で、練馬区の人口の約2割に上ります。

私は東日本大震災が発生した時、宮城県亘理町に行き、避難拠点の運営支援を行った経験があります。
その経験を通じて感じたことは、『災害発生した時も、自宅が無事であれば、自宅で生活を送る方がいい』ということです。

もちろん、高齢者や障害者など、他の方の手助けが必要な方については、避難拠点に避難される方がいいと思いますが、避難拠点はどうしても集団生活となり、プライバシーも完全に守ることは困難です。
さまざまな場面において、とてもストレスが溜まる場所であると思います。
私が避難拠点運営支援を行ったのは、たった1週間ですが、帰宅後は、疲労等で1日寝込んでしまいました。
それだけ、その時には感じなかったストレスがかかっていたのだと思います。

練馬区でも、防災の手引き等に「避難は最後の手段!」と明記するなど、在宅避難を推奨しています。
ぜひ皆さんも在宅避難を第一に考え、日頃から備蓄などの対策を行い、それでもダメだったら、最後の手段として、「近くの小中学校の体育館に避難する」と考えていただければと思います。

その上で、在宅避難に必要なこととして、今回は、災害に強い住宅、適切な情報の伝達、家庭内のトイレ対策の3点を取り上げました。

●災害に強い住宅

まず、『災害に強い住宅』についてですが、住宅ローン『フラット35』の地域連携型において、防災・減災対策に資する住宅を取得する場合、金利が優遇されるサービスがあります。
しかしながら、この金利優遇を受けるためには、各自治体が条件をクリアし、申請を行わなければなりません。
そのため、ようになっています。
金利優遇を受けるためにはさまざま条件がありますが、ぜひ対象の方はご活用いただければと思います。

▶『住宅の耐震改修工事等の助成』(練馬区HP)
https://www.city.nerima.tokyo.jp/kurashi/sumai/takuchi/taishin/kodate.html

●適切な情報の伝達

次に、『適切な情報の伝達』についてですが、在宅避難する上で誰もが不安に思うこととして、食料や水の配給情報が得られるかということがあると思います。
実際、令和元年度の区民意識意向調査によると、在宅避難する上で不安な点として、約8割の方が「食料等の配給を受けられるか」、約6割の方が「情報が入ってくるか」を挙げています。
震災時、誰もが不安な状況の中で、区民の皆さんが冷静に行動するためには、適切な情報の取得が必要不可欠であると考えます。
すでに練馬区からの情報発信ツールとして、待ちの情報ツールであるホームページや、情報拡散型のTwitterなどSNSはありますが、いずれも自分で情報を取りに行かなければ、情報は得られません。
災害発生時には特に、これらのプル型の情報発信ツールに加えて、必要な方に必要な情報を配信するプッシュ型の情報発信ツールを整備することが大事であると考えています。
そこで、すべての年代の約9割が利用し、国内月間アクティブユーザーが9,200万人以上いるなど、生活インフラとして定着しているLINEを活用して、災害情報や、避難拠点の混雑状況、物資・水の配給状況などを配信することを要望しました。

練馬区からは、「LINEの活用を検討していく」との回答をいただいています。

●家庭内のトイレ対策

次に、『家庭内のトイレ対策』についてですが、これまでも災害時のトイレ対策の普及啓発を求めてきました。
災害時のトイレ対策は、水や食料の確保と同じレベルで重要なものです。
飲食はある程度我慢ができたとしても、排泄を我慢することはできません。
過去の震災では、トイレに行く回数を減らすために、水分や食事を控えたことで慢性的な脱水状態となり、脱水症や血圧上昇、膀胱炎、エコノミークラス症候群などで命を落とす方もいらっしゃいました。
このような、地震による間接的な要因によって亡くなる方を災害関連死と言いますが、平成28年の熊本地震では、地震による直接的な要因で亡くなる直接死の4倍近い方が、災害関連死として命を落としています。

昨年の一般質問において、非常用簡易トイレをイベント等で配布しながら、災害時のトイレ対策の普及啓発することを求め、今年度、実現しています。
今回はさらに、マンションでの在宅避難を支援するため、マンション防災会など地域でのマンホールトイレの整備の助成を要望しました。

練馬区からは、「今後、新たな被害想定を反映した都の地域防災計画を踏まえ、区の地域防災計画の見直しの中で、検討していく」との回答をいただいています。

●小中学校の体育館と災害協定

また、その他に、避難拠点として運営上問題がある小中学校の体育館と災害協定について質疑を行いました。

現在、避難拠点として活用する小中学校の体育館のうち、2階以上にある体育館は12か所あります。
災害時、高齢者や体の不自由な方などが避難するには困難であり、避難拠点として運営上問題があるため、これまで改善を要望してまいりました。
練馬区はこれまで、車椅子を利用されている高齢者など、配慮が必要な方の避難スペースについては、校舎1階の教室を利用し、避難拠点運営連絡会の皆さんと連携して、避難された方に配慮した運営に努めることとしています。
しかしながら、校舎1階の要配慮者ペースが不足したり、検討している間に地震が起きてしまう可能性も十分に考えられます。
もし対応が完了する前に、震災が発生した場合、2階以上のトイレは使用できないため、トイレの度に1階に下りて、1階または屋外のマンホールトイレを使用していただく必要があります。
高齢者や障害者、妊婦など配慮が必要な方にとっては非常に大変なことです。
そのため、リスクを分散し、重層的なトイレ対策が必要であると考えます。
そこで、誰でも持ち運び可能で、簡単に設置できる簡易コンポストトイレを、2階以上にある体育館の避難拠点に先行して配備していただくよう要望しました。

また、『災害協定』については、現在、練馬区では、災害に備えて地方自治体や民間事業者など多くの団体とさまざまな協定を締結しています。
災害協定締結団体は、災害発生時の心強い味方であり、大変ありがたい存在です。
この協定をより強固なものとし、実際の震災時に活きた協定とするためには、訓練を積み重ねていくことが重要になります。
ですので、災害協定締結団体と、日頃からの顔の見える関係づくりを行うとともに、協定内容に応じた訓練を行うよう要望しました。

いずれにおいても練馬区からは、「2階以上に体育館のある学校において、簡易コンポストトイレの導入を検討する」「実践的なものとなるよう、協定団体と連携した訓練を実施する」との回答をいただきました。

引き続き、災害が発生したとしても安心して生活が送れるよう、災害対策のさらなる強化に取り組んでまいります。


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