【練馬区】先生の5人に1人が年間残業時間720時間超

こんばんは。
練馬区議会議員の佐藤力です。

さて、今回のテーマは、『教員の働き方改革』についてです。


● 教員の働き方改革

練馬区では、働き方改革の一環で、令和3年から教員の勤務状況を把握するため、学校現場に出退勤管理システム、いわゆる、タイムカードを導入しました。
それによって、これまで分からなかった教員の残業時間。
教員には残業という概念がないため、時間外在校時間といいますが、この実態が見えてきました。

令和4年度の年間の時間外在校時間は、教員全体で、360時間以下が31.6%、360から720時間以下が50.5%と半数。
労働基準法の改正によって、残業の上限となった年720時間を超える教員の割合は17.9%となっています。
720時間超の部分だけ見てみると、中学校で30%以上、副校長先生で約半数。20代の若手教員では、小学校で30%近く、中学校では半数を超える状況となっています。
労働時間だけの問題ではありませんが、教員のやりがいの低下や、子供たちへの教育以外のことへの対応などが原因により、教員のなり手が少なくなってきています。
実際、東京都の公立学校教員採用候補者選考の受験倍率は、平成30年採用の時は、小学校で2.7倍、中学校で7.1倍となっていましたが、令和6年採用は小学校で1.1倍、中学校で1.8倍と大きく低下しています。
今後、教員のなり手が少なくなることで、すでに練馬区においても発生していますが、教員の数が必要数を満たしていない欠員の発生や、質の高い教員を確保できなくなるなど、今後ますます教育の質を低下させてしまう懸念があります。

練馬区としては、労働基準法に規定されている、通常時の残業時間の上限である「月45時間以内、年360時間以内」を目指して、働き方改革を推進しています。
これまでの取組みとしては、先ほどご紹介した出退勤管理システムの導入や、副校長補佐や学校生活支援員の配置拡充、部活動の見直しなどが挙げられます。

令和6年度からは、1つ目として、学校電話機の応答メッセージの設定時刻を、原則的には勤務時間終了の16時45分にすること。
2つ目として、土曜授業日を現行の8回から4回にすること。
3つ目として、通知表の所見欄の記載について、年度末の1回のみとし、それ以外は、個人面談等において直接、学習や生活の様子を伝えるようにすること。
以上、3点について実施する予定となっています。

これまでの取組みはどうしても、現行の教員の人数を変更することなく実施できる取組みを行ってきました。
しかしながら、これだけの時間外在校時間を大幅に削減するためには、業務改善や行事などの見直しだけでは足りず、根本的には職員数を増やしたり、外部人材の活用が必要不可欠であると考えています。

具体的には、小学校において多くの科目において教科担任制を導入すること、部活動を地域やスポーツクラブなどに移行すること、プールの授業を地域スポーツクラブなどへ外部委託すること、給食費の公会計化を図ることなどが考えられます。

自然資源の少ない日本において、人的資源の質の向上を図ることは欠かすことができません。
また、これからの日本を護り、支えていくのはこれからの子供たちです。
子供たちへの教育の質の向上は、最優先で取り組んでいかなければいけない課題の一つです。
引き続き、教育の質の向上を図るとともに、教員の働き方改革の推進に取り組んでまいります。

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