【視察してきました】Picoナーサリから考える保育園の今

おはようございます。
練馬区議会議員の佐藤力です。

今回は、「杉並区の認可保育園『Picoナーサリ』&そこから考える保育園の今」について解説します。保育士配置基準の2倍、求人倍率20倍の取り組み。ぜひご覧ください!


皆さんは認可保育園『Picoナーサリ』をご存知でしょうか。
マスコミでも取り上げられていますので、この動画を検索等で見られた方は知っている方も多いかもしれません。ちなみに、私は、議員仲間から教えてもらうまで、知りませんでした。

先月、社会福祉法人風の森が、杉並区久我山に子育て支援棟「Pico childcare support plaza」をオープンさせたということで、視察してきました。

社会福祉法人風の森 Picoナーサリは、70年以上の歴史のある久我山幼稚園が、そこで培った保育や教育のノウハウを活かして設立した保育園です。杉並区内には、久我山を中心に6園の認可保育園を運営しています。

また、先月、Picoナーサリ久我山駅前の隣に、子育て支援棟『Pico childcare support plaza』を開設しました。久我山幼稚園は、杉並区内ではお受験幼稚園として有名とのことで、1935年に創立され、現在、園児は300名ほどいるそうです。

ホームページを見ると、園内で遊んだり、園外の自然の中で遊ぶだけでなく、外部専門講師による茶道やリトミック、英会話なども行われています。
このノウハウを活かし、認可保育園「Picoナーサリ」では、リトミックや体操、英会話、茶道など特別教育プログラムを実施し、乳幼児期の最も脳が発達する時期に、知的好奇心に働きかけ、創造力や思考力、判断力などを育むとしています。

子育て支援棟『Picoチャイルドケアサポートプラザ』では、就学前児童を預かる『一時保育』や、体調不良の子供を預かる『病児保育』、障害のある三就学前児童が通い、日常生活の自立支援や機能訓練などを行う『児童発達支援』、そして、地域の方に開放し、子育て相談や、ママ友・パパ友の交流の場などとして利用できる『子育てカフェ』を行っています。

この久我山幼稚園を含めた法人全体の素晴らしい点は、大きく3点あると思います。

まず1点目は、時代の流れの先を見据えた運営を行っている点です。
幼稚園が創立したのが1935年ですが、1976年には、全国に先駆けて、幼稚園に延長保育を導入しています。また、幼稚園を運営しながら、保育園を6園も運営されています。さらに、先月、杉並区で初めてとなる保育園併設型の病児保育や、児童発達支援事業にも取り組まれているなど、社会のニーズが変化していく中で、その流れを察知して、対応されています。

2点目として、保育園に幼児教育を取り入れている点です。
待機児童問題に対応するために、保育園が数多くつくられてきました。そのおかげで、練馬区においても、保育園の待機児童がゼロとなっています。しかしながら、これからは、少子化の流れも相まって、保育園がつぶれ始める時代が、そう遠くない未来にやってきます。その中で、保育園として生き残っていくためには、保育園の本来の目的である、保育の欠ける子供を見守るというだけでは、他の園とは差別化を図ることが難しく、また、社会のニーズとして幼児教育を望む声が大きくなっていくことを考えれば、保育園で幼児教育を推進し、差別化を図っていくことが求められると考えます。

そして、3点目は、保育士の処遇です。
Picoナーサリでは、国の配置基準の2倍の保育士を配置し、子供たちに対してきめ細やかな保育を行っています。また、正規雇用の保育士が8割で、基本的に残業はなし、従業員満足度調査を行いながら従業員満足度の向上を図るなどを行い、離職率はかなり低くなっており、さらに、求人をすれば定員の20倍近い方の応募があり、保育士の採用にも困っていないとのことです。

そもそもなぜ2倍の保育士を配置できるのかというと、国の制度では1.45人にまで対応することが可能で、残りの0.55人分を、東京都や杉並区の補助制度をフル活用して予算を獲得しているとのことです。
また、これまでの生産性の低い働き方をICTなどを活用しながら改善し、仕事量を減らすとともに、労働時間を短くしたり、病児保育など別形態の事業と合わせた、法人全体のスケールメリットを活かして、子育て中で残業や夜勤ができない先生でも働ける労働環境を整備したことで、保育士の処遇を向上させています。
社会福祉法人風の森では、このような工夫やノウハウを惜しげもなく伝える講演会を年20回近くを行っているそうです。それでも、実施できている法人をあまり聞きません。それはなぜかと考えてみると、幼稚園1園、認可保育園6園、病児保育事業など、ここまで大きく事業展開できる法人がそもそも少ないということ。
また、Picoナーサリは国や東京都、杉並区の助成制度をフル活用して、補助金を獲得し、保育士の処遇向上に取り組んでいますが、そもそもこの助成制度は行政機関ごとで縦割りでわかりづらく、俯瞰して、経営に活用することが難しいことが挙げられると考えます。

当然ながら民間企業のため、自らの努力を最大限発揮していただくことが必要ではありますが、それと合わせて、一番身近な地方自治体の、保育事業所担当係において、保育施設に係る補助メニュー等の制度を熟知し、相談、助言できるコンサル的機能を有する必要があると考えます。

さらに、別の視点となりますが、保育園併設の病児保育であっても、事前に医師の診断が必要であるため、保育園に預けた子供が発熱した場合、一度、保護者が迎えに行き、病院の診察を受けてからでないと、病児保育を利用することはできません。また、ここの病児保育には、毎日、近くの小児科医が診察に訪れますが、その医師では、事前に必要な診断を行うことは法的にできないとのことです。

そもそも、保育にかかる労働への影響としてよく挙げられるのが、子供の急な体調不良に対応するために、仕事を中断しなければならない点です。
子育て中の保護者でも安心して仕事に取り組めるようにするためには、職場における子育て家庭を支える環境を整備するとともに、制度のつなぎの部分の改善を図る必要があります。
具体的には、提携する小児科医と連携した診察や、オンライン診療による診察を可能とするようにすべきではないかと考えます。

以上、社会福祉法人風の森さんの取組みや、課題をお伝えしていきました。
現在の保育士不足や少子化といった問題や、幼児教育の質の向上、子育てしや

すい環境をつくっていくためには、社会福祉法人風の森さんの取組みを参考に、真似していく法人を増やすことが大事であると考えています。
その上で、制度的な課題などを行政が解決しながら、企業努力を促していくことが大切であると思います。引き続き、子育てしやすい環境づくりに取り組んでまいります。

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