おはようございます。
練馬区議会議員の佐藤力です。
今回は9月12日に告示される「自民党総裁選」について。総裁選の制度や主な争点・見どころなどを解説しています。
まず自民党総裁選の制度についてです。
総裁選挙は自由民主党の代表である総裁を選ぶ選挙です。
実質的には、自民党の総裁は内閣総理大臣になりますが、総裁選はあくまでも自民党の党内のトップである総裁を選ぶ選挙となっています。
総裁の任期は3年で、連続で3期9年まで務めることができます。
総裁選挙は、自民党所属の国会議員による投票と、全国の自民党員・党友などによる投票によって行われます。
選挙日程は総裁の任期満了1か月前までに公表されます。
国会議員の投票日は、総裁の任期満了日前10日以内に設定されます。
総選挙の告示は、議員投票の投票日の12日前までに行われます。
今回は9月12日(木)告示、9月27日(金)開票となります。
候補者となるには、党所属国会議員20名の推薦が必要です。
これを集められるかどうかが第一関門となっています。
国会議員も推薦人になるかどうかは、その後の人事や処遇等にも大きく影響するため、非常に慎重になるため、集めるのは容易ではありません。
ただ、以前の派閥が大きな力を持っていた時と異なり、各個人が自分の考えで推したい候補者を選択しているため、今回、過去最高の候補者数となる想定となっており、それは大変良いことだと考えています。
投票については、国会議員1人1票となっています。
党員票は都道府県ごとに開票し、党本部において合算します。
各候補者の得票数を基に、党所属国会議員と同数の票をドント方式で配分します。
つまり、国会議員は衆議院議員が253人、参議院議員が114人、合計で国会議員は367人いますので、国会議員の投票は367票あります。
また、党員投票は367票をドント方式で候補者に分配します。
ドント方式とは、各候補者の得票数を1、2、3と整数で順に割っていき、得られた数の大きい順に総党員算定票を1票ずつ配分する方式です。
票の割り振りは、A候補、B候補、A候補、C候補、A候補、B候補、A候補という形で票が割り振られていきます。
国会議員の有効票数と党員の票数を合計した数の過半数を獲得した候補者が当選者となります。
過半数を獲得した候補者がいない場合は、上位2名による決選投票を行います。
ちなみに、よく聞かれることとして、地方議員の票がどうなっているのかというと、都議会議員・区議会議員ともに、党員の方と同じ1票となっています。
つまり、国会議員の票が一番重いということになっています。
私は、国会議員の票が重すぎると感じていますので、相対的に地方議員や党員の票の重みを高めるよう、党本部に求めています。
今回の総裁選では、8つの禁止事項を設けることになりました。
①書籍・色紙等の物品配布
②文書類を郵送等で送付すること
③インターネット上に有料広告を出すこと
④オートコールによる電話作戦
⑤その他、カネをかける行為
⑥党機関誌「自由民主」個人版を利用しての選挙運動や候補者支援を行うこと
⑦都道府県連が特定の候補者を支援すること
⑧告示後、党員が郵便投票する際の投票用紙となる往復はがきの復信はがき部分を集めること
つまり、お金をかけすぎることと、組織として活動することを禁止し、候補者がバックボーンにとらわれることなく、公平な選挙活動を実施できるようにルールが設定されました。
では、どんな候補者が出る予定で、どういったところが争点になるかということですが。
9月3日時点の情報では、すでに出馬表明されているのが、林さん、小林さん、石破さん、河野さんで、記者会見を予定しているのが、小泉さん、高市さん、茂木さん。
出馬に向けて推薦人を集めることに奔走されている方は、上川さん、加藤さん、青山さん、齋藤さん、野田さんとなっています。
出馬意欲がある方を含めると、現在12名の方が立候補する予定となっており、これまでの総裁選にない立候補者数となっています。
新聞各社の世論調査を見てみると、石破さんと小泉さんが1位と2位を争っており、3位に高市さんが位置づけています。
これはあくまでも、一般の国民を対象とした調査です。
総裁選は、自民党の国会議員と、自民党員による投票となるため、必ずしもこのような結果になるとは思えませんが、一応、このような結果となっています。
総裁選の争点としては、経済や外交、憲法改正、派閥の不記載問題、そして、衆議院選挙も見え隠れするため、選挙の顔になる人物で刷新考えられる方。
そういったところが争点になるのではないかと思います。
私は、自民党総裁は我が国の首相になる方なので。
①大局的な国家観をしっかり持っていること
②アメリカや中国、ロシア、韓国といった諸外国との外交に毅然とした態度で対応できること
③特に、外交・安全保障・経済対策に対して見識が深いこと
④ポピュリズムに流されることなく軸をもって突き通せる胆力を持っていること
⑤憲法を改正する強い意志があること
が必要であると考えています。
また、これまで派閥政治であったため、総裁選が行われると、その後の内閣人事において、各派閥ごとに論功行賞が行われ、正直、能力がないにもかかわらず、任期を重ねていることを理由に大臣に選ばれるという方が多くいました。
勝手な印象ですが、不祥事を起こす大臣はこういった方が多いのかなと思います。
これは我が国においても大きなマイナスで、国力を下げる要因となっていますので、新総裁にはぜひそんなことは止めていただき、適材適所で、国会議員に限らず、民間人も含めて、優秀な人材を登用していただくことが重要だと考えています。
では、もし皆さんが総裁選に関与したいなと思ったとき、どうしたら総裁選に意見を反映することができるかというと、これまでご説明しましたが、自民党員となれば、総裁選の投票権が与えられます。
ただ、総裁選の直前に党員になっても投票はできず、総裁選の前年と前々年の2年間、党員として党費を納めている方が対象となります。
次回は3年後の2027年の予定となっています。
直接民主制を採用していない我が国において、日本のトップである内閣総理大臣を選ぶことができるのは、自民党議員と自民党員のみとなっています。
自民党員の一番大きな特権だと思います。
今回は間に合いませんが、次回は投票したいという方がいらっしゃいましたら、ぜひご連絡ください。
▶自民党員になりたい方はこちらから
https://satoriki.net/joining/