おはようございます。
練馬区議会議員の佐藤力です。
今回は、練馬区が策定した『区立学校適正配置第二次実施計画(素案)』について、解説します。
深刻化する少子化
皆さんもご存知のように、日本では少子化が進み、2023年の出生数は75.9万人と、統計を始めた1899年以来の最少を記録しました。
このような少子化の影響は、学校現場にも大きな変化をもたらしています。
練馬区では、昭和50年代のピーク時と比べ、児童生徒数が約6割に減少しました。その結果、学校規模の偏りや教育環境の課題が浮き彫りになっています。
現状の課題
- 規模が小さい学校
- 児童が少ないため、多様な人間関係を築きにくい
- クラブ活動や行事が制限される場合がある
- 規模が大きすぎる学校
- 教室や運動場が手狭になる
- 全員が十分な活動スペースを確保できない
学校は、子供たちが知識を学ぶだけでなく、集団生活を通じて協力や共感を学ぶ場です。そのため、適切な規模の学校運営が重要です。
練馬区の取り組み
練馬区では、少子化に対応した教育環境を整えるため、学校の統合や学区の見直しを進めています。
これまでの実績
- 小学校8校を4校に統合
- 中学校1校を廃止
- 現在、小学校65校、中学校33校
「区立学校適正配置第二次実施計画」
▶ 区立学校適正配置第二次実施計画(素案)(概要)
▶ 区立学校適正配置第二次実施計画(素案)(本編)
令和6年に策定されたこの計画は、令和7年度から令和10年度までの4年間を計画期間とし、次の3つを目的としています。
- 教育環境の改善
- 適正規模の学校で多様な人間関係を築きやすくする
- 財政の健全化
- 少子化時代に合わせた学校規模調整で財政負担を軽減
- 施設の有効活用
- 空き教室や老朽化施設を見直し、効率的に活用
今回の計画の具体例
統合・再編の対象
- 光が丘第八小学校: 令和14~18年度の間に田柄小学校に統合
- 豊渓中学校: 令和11年4月に光が丘第一中学校に統合
学区域の変更
- 練馬小学校・高松小学校: 令和9年4月から春日小学校に一部区域を編入
豊渓中学校の課題と提案
豊渓中学校は練馬区内でも歴史ある学校の一つです。しかし、今回の統合方針にはいくつかの課題があります。
- 通学距離の問題
- 一部の旭町三丁目の生徒が光が丘第一中学校まで30分以上かかる可能性がある。
- 地域と学校の連携
- 今年度から区内で唯一、コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)が本格導入され、地域と学校が連携して活性化しようとする動きが高まっています。
このような背景を踏まえ、私は次のような提案をしています。
提案: 小中一貫教育校の設立
豊渓中学校と隣接する旭町小学校を統合し、小中一貫教育校を設立することを検討すべきです。
- 特色ある教育を実施し、次世代を担う子供たちに最先端の学びを提供
- 老朽化した校舎の改築を活かした新しい学校づくり
練馬区はこれまで画一的な教育に固執してきましたが、今こそ新しい教育プログラムに挑戦し、生徒や保護者に選ばれる学校を目指すべきです。
皆さんのご意見をお聞かせください
来年1月に対象校で説明会が行われ、意見募集も予定されています。
地域の声を大切にし、子供たちのためにより良い教育環境を整えるため、皆さんのご意見やご感想をぜひお寄せください。
これからも、練馬区の未来を担う子供たちのために全力で取り組んでまいります!