こんばんは。
練馬区議会議員の佐藤力です。
今週の佐藤力チャンネルのテーマは、前回に引き続き「新型コロナウイルスの３回目のワクチン接種」についてです。
政府による度重なる前倒しで、結局どうなったの？課題はないの？練馬区の対応はどうなの？といったご質問について解説していきます。
●接種間隔の前倒し
これまで、政府は、２回目と３回目の接種間隔について、医療従事者や高齢者施設の入所者・従事者などは６か月後、65歳以上の方は７か月後、基礎疾患をお持ちの方を含む18歳～64歳の方は８か月後としてきました。
そこにきて、１月13日、政府は、接種間隔を、65歳以上の一般の高齢者は６か月に、18～64歳の方や職域接種は７か月に、それぞれ１か月短縮することを発表しました。
開始時期については、これまで通り３月のままとなっています。
また、5～11歳の方についても３月からワクチン接種を始める予定となっています。
●練馬区の対応
練馬区の対応についてですが、すでに65歳以上の方の３回目のワクチン接種が始まっています。
また、65歳以上の方の接種間隔の前倒しを受け、接種対象者全員に対して、接種券の発送を２回目の接種から６か月半経過した方に前倒しして、順次発送しています。
具体的な発送日は、２回目のワクチン接種を、昨年６月16日から７月15日に受けた方は１月20日、７月16日から31日の方は１月26日、８月１日から15日の方は２月14日、８月16日から31日の方は２月28日の予定となっています。
接種会場についても、区内約350か所の診療所や、６か所の病院、10か所の区立施設等に開設するなど、今回の前倒しを受けても、十分に対応できる体制となっています。
●３回目接種の懸念事項
しかしながら、懸念事項がないわけではありません。
一つ目が12歳未満の子供に対する接種、二つ目がワクチンの供給量、三つ目がメーカーごとの人気の差といった課題があります。
一つ目の12歳未満の接種についてですが、３月に、接種間隔の前倒しに加え、12歳未満の子供も接種するとなると、当初、69,000人であった接種対象者が、246,000人と3.6倍に膨れ上がります。
大規模接種や職域接種に一定程度、接種する人が流れることは予想できますが、接種対象者が練馬区の会場に殺到してしまうと、昨年のように予約が取りづらくなることが予想されます。
また、二つ目としてワクチンの供給量があります。
昨年、予約が取りづらくなった一番の要因は、ワクチンの供給不足でした。
国は、接種対象者分のワクチンをちゃんと配っていると言っていましたが、現場でのワクチン不足は実際に発生しており、それにより、予約が取りづらい状況になってしまいました。
今回、国は、４月上旬までに、接種対象者の95％にあたる9500万回分のワクチンを配送すると言っています。
現場の接種を滞らせないためには、このワクチン供給についてもぜひ前倒しを行っていただきたいと考えています。
さらに、三つ目としては、メーカーごとの人気の差です。
２回目までの接種の際は、ファイザー社製のワクチンへの人気が高く、モデルナ社製のワクチンならすぐに接種できる状況にありながらも、ファイザー社製のワクチンに予約が集中しました。
今回、３回目接種用のワクチンについて、国は、ファイザー社製とモデルナ社製を約54％と約46％の割合で供給する計画を示しています。
前回のようにファイザー社製のワクチンに予約が集中してしまうと、また予約が取りづらくなることが予想されます。
ちなみに、メーカー別のワクチンの効果（抗体量がどれだけ増えるか）についてですが、厚生労働省に資料によると、３回ともモデルナを接種した場合は10.2倍、１・２回目をモデルナ、３回目をファイザーの場合は11.5倍、３回ともファイザーの場合は20倍、１・２回目をファイザー、３回目をモデルナの場合は31.7倍になるという研究結果が出ています。
ぜひこういった情報も参考に、ワクチンの種類を選択いただければと思います。
●今後の状況
現在、日本も世界と同じく、オミクロン株による感染が急拡大しています。
東京都は、病床使用率が20％になった段階でまん延防止等重点措置の適用について、50％になった段階で緊急事態宣言の発令について、それぞれ国に要請することを検討する方針を明らかにしました。
現在の病床使用率は約15％ですので、近いうちにまん延防止等重点措置の適用が始まるのではないかと予想しています。
ここで大事なのは、陽性者の数だけではなく、重症者の数や病床使用率など医療のひっ迫状況を冷静に見極めることが大切です。
ぜひ皆さんにおいては、陽性者数ばかりを取り上げたあおりによって判断するのではなく、こいった情報を見て、冷静に恐れ、適切な行動につなげていっていただければと思います。
その中において、３回目のワクチン接種は重要ですので、積極的に接種いただければと思います。