ICT教育の推進(佐賀県武雄市)~練馬区議会 文教児童青少年委員会1日目


こんにちは。
練馬区議会議員の佐藤力です。

先日、練馬区議会 文教児童青少年委員会で視察に行ってきました。
行先は佐賀県武雄市と熊本県宇土市、八代市。

視察の目的は、『ICT教育の推進』と『小学校改築』『保育所の民営化』についてです。

まずは、1日目の佐賀県武雄市における『ICT教育の推進』についてご紹介いたします。

●武雄市のタブレット配備状況

武雄市では、小中学生一人一台タブレット端末を配備するGIGAスクール構想が始まる前、平成22年から子供たちにタブレット端末を配備。
平成27年に全小中学生に一人一台にタブレット端末の配備が完了しました。
練馬区では令和元年度に配備が完了していますので、5年も進んでいます。

●タブレット活用方法

活用方法としては、休校時のオンライン事業や他の子供たちの考え方の共有、学習動画視聴などです。
この点は、練馬区も同様ですが、一歩進んでいると感じたことは、「タブレットはあくまでも新しい授業を実施するための必要条件であって、大事なのは『持続可能な社会の創り手となる子供を育む』という理念である」と明確に語り、それに向けて先生たち、教育委員会が一丸となって取り組んでいる点です。

私も以前よりタブレットなどICTはあくまでもツールであり、それを使って何を成し遂げるかが重要だと考えていきました。
しかしながら、タブレット導入により、タブレットをどれだけ使うかにばかり注目が集まり、目的がないがしろになっていると感じています。
そこを明快に否定する武雄市教育委員会は素晴らしいなと思いました。

さらに、新学習指導要領の実施により『考える力』を身に着けさせることに着眼点が置かれるようになりましたが、抽象的すぎるが故に、ふわっとした状態で各先生に落とし込まれていることが多くありました。
しかしながら、武雄市においては、

 【  目   的  】持続可能な社会の創り手となる子供を育む
 【  そ の た め に  】「個別最適な学び」と「協働的な学び」の実現
 【   実現に向けて  】教師は「指導者」から「ファシリテーター」「コーチャー」へ
 【 そのため教師は 】新しい授業デザインを追求

と、よくかみ砕いて『未来を創る武雄の教育』として各現場に落とし込まれています

●武雄市へ質問

そこで私からは2点質問をしました。

一つ目は、学校現場に理念を落とし込むにあたり、教師や校長への理解度向上が必要不可欠だが、どのように行っているのか

(回答)校長などへの落とし込みは、教育委員会の指導主事が頻繁に学校現場に出向き、校長たちとディスカッションを繰り返し行うことで、浸透を図っている

二つ目は、武雄市の教育は、ICT以外にも特異なものがあり、全国的にも先に進んでいるが、子供の数や市の人口にどのような影響を与えているのか

(回答)武雄市は市街地から離れているため、子供の数自体はどうしても減ってきてしまっている。しかしながら、教育の質を上げることで、人口減少を鈍化させることに繋がっている今後は、武雄の教育で育った子供が大きくなり、大学や就職で離れてしまった方が、戻ってくることを期待している。

●これからの練馬区として

これからの子供たちには、正解を導き出す力ではなく、困難を乗り越えるための道を切り開く力が求められており、それを目指すうえで、タブレットなどのICT機器は非常に有用です。

今後、練馬区としては、もっと分かりやすくかみ砕いた、子供たちの未来をつくる教育の理念をつくること

また、教育理念を浸透させるために、これからは教育委員会にいる指導主事(教員)がどんどん現場へ出向いていき、現場とコミュニケーションを密に図っていく必要があると考えています。

私は、教育の質の向上が、子供たちに未来を生き抜く力を与え、練馬区の未来を切り拓くことにつながると考えています。
引き続き、教育の充実に取り組んでまいります。

●武雄市図書館


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