練馬区文教児童青少年委員会視察①~山口市(コミュニティ・スクール・山口情報芸術センター等)


こんにちは。
練馬区議会議員の佐藤力です。

先日、練馬区文教児童青少年委員会で視察を行いました。
視察内容は、山口県山口市のコミュニティ・スクールや山口情報芸術センター、愛知県瀬戸市の小中一貫校「にじの丘学園」。

今回は、山口県山口市の取り組みをご紹介いたします。

コミュニティ・スクール(CS)について

まずコミュニティ・スクール(CS)について。
市内の全国学力テストの結果が低かったことなどから、教育にも外部の目を入れ、学校運営の透明化・適正化を図ることを目的に、平成24年に市内のすべての公立小中学校に導入しました。

コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)とは?

学校と地域住民等が力を合わせて学校の運営に取り組むことが可能となる「地域とともにある学校」への転換を図るための有効な仕組みです。コミュニティ・スクールでは、学校運営に地域の声を積極的に生かし、地域と一体となって特色ある学校づくりを進めていくことができます。

https://manabi-mirai.mext.go.jp/torikumi/chiiki-gakko/cs.html

文部科学省

CSを導入したことにより、子供たちとともに、地域の方々においても、地域愛が育まれ、また、自己肯定感など非認知能力を伸ばすことにつながっているとのことです。
練馬区においては、公立小中学校98校のうち、3校において導入に向けた準備を進めています。
CSの会長は、目指すべき姿が明確に描けず、どうやって立ち上げていくか試行錯誤しているとおっしゃっていました。
そこで、山口市においては、立ち上げの際に工夫したことや、立ち上げの中心にいた方の後継者の育成はどのようにしているのか、質問をしました。

山口市においては、山口県からの大号令により、まず形からスタートしたとのことです。
工夫した点としては、地域の有力者をリーダーにするなど人選を大事にされたそうです。
また、後継者育成については、まさにこれから大きな課題として顕在化してくるようになるとのことで、現在、鋭意対策を考えているとのことです。

公立学校の魅力の一つは、地域の中にあるということです。
そういった意味において、CSを推進し、地域愛を育むことは重要であると考えています。
山口市の事例も参考にしながら、練馬区でもCSの導入の推進を図っていきたいと思います。

山口情報芸術センター(YCAM)について

次に、山口情報芸術センター(YCAM)について。
YCAMの目的は、

1. 創造と発信
2. R&D,知見の蓄積
3. 領域横断

を掲げ、そこで知見を生み出し、そこにとどめることなく、他に応用し、社会実装していくことです。
その応用先の一つして、子供たちへの教育があります。

日々の活動において制作されたワークショップでの知見を活かし、教育委員会と共同しながら、教育現場にカスタマイズして、落とし込んでいっています。
その一つとして、「360°図鑑」があります。
これは、地域の360°写真を活用し、そこでの学びを落とし込んでいき、情報共有するというものです。

詳しくは以下のサイトをご覧ください。
https://zukan360.yamaguchi-ygc.ed.jp/

YCAMの主な役割がワークショップ制作です。
ワークショップというメディアを通じて、サイエンスやバイオなどの情報を、社会に伝えています。
メンバーは、国籍やバックグラウンドも様々なクリエイター集団によって運営されています。
運営費として、市から年間8,000万円、教育委員会事業費として900万円、その他、人件費等で5億円の規模の助成金が入っています。

こういった事業はなかなか万人受けするものではないため、行政の物差しで測ってしまうと、すぐにコストカットの対象になりかねないものです。
しかしながら、一見訳の分からないものを創造し続けることによって、新しい価値が生まれ、子供たちへの教育につながっています。
いかに説明責任を果たしながら、訳のわからないものを創造し続けられるかが重要であると考えています。

説明責任として、5年に1度基本構想を策定し、行政や議会のチェックを受けているとのこと。また、その際に、時代遅れにならないよう、コンセプトのブラッシュアップを図っていっているとのことです。

この素晴らしい特徴を丸くすることなく、継続させ続けるには、一定程度、行政から独立することも必要であると考えます。
この点、伺うと、まさに今、課題にしていることであり、ワークショップの展開などを通じて、今後10年かけて資金獲得に取り組んでいくとのことでした。

YCAM自体に関しては、練馬区において実施することはハードルが高いと感じるものの、教育に対する効果については非常に有益であると感じました。
ぜひ練馬区とYCAMが提携し、知見の応用先として、練馬区の学校現場でもワークショップなどができたらいいかと思っています。


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