おはようございます。
練馬区議会議員の佐藤力です。
今回は、練馬区で行われているデマンドタクシーの実証実験について解説します。
① デマンドタクシー実証実験とは?
背景
全国的に深刻な課題となっている運転手不足。練馬区でも例外ではありません。
昨年、佐藤力チャンネルでも取り上げた 「2024年問題」 により、みどりバスをはじめとする路線バスの減便やルート再編が現実味を帯びています。
デマンドタクシーとは?
デマンドタクシーは、利用者の予約に応じて柔軟に運行するタクシーサービスです。
「配車アプリによるタクシー」の公共版とイメージしていただければわかりやすいかと思います。
練馬区では、南大泉・東大泉地域で今年3月末までの期間限定で実証実験を行っています。

利用方法と運賃

- 予約方法:乗車希望日の1週間前から電話またはアプリで予約
- 運行範囲:決められた乗降ポイント間
- 料金:大人300円、子ども200円
② 運行地域の選定理由
今回の運行地域に南大泉・東大泉地域が選ばれた理由は次の通りです:
- 公共交通空白地域が練馬区内で最大
- 区域内に人口約27,000人が居住し、駅や公共施設、病院もあり需要が見込める
- 西武新宿線の連続立体交差事業による駅前広場整備などへの活用が期待される
③ 運行事業者
運行事業者:SWAT Mobility Japan株式会社
シンガポールに本社を持つ企業の日本法人で、オンデマンド交通や物流最適化を手掛けています。
核となる技術は、ダイナミック・ルーティング・アルゴリズム と呼ばれるAI技術。
少ない車両で効率的なルートを生成し、国内で50以上のプロジェクトを運営しています。
④ メリット・デメリット
メリット
- ニーズに応じた運行で運営コスト削減
- 希望する時間・場所に合わせた柔軟な運行
- 公共交通空白地域の解消
デメリット
- 路線バスと比較して運賃が高め
- 予約制による手間や利用者の敬遠
- 初期投資や運営コストの高さ
- 利用者集中時の待ち時間や遠回りのリスク
⑤ 今後の課題と展望
デマンドタクシーは新しい取り組みであり、周知に時間がかかることが予想されます。
そのため、3か月間の短い実証期間で十分な効果検証ができるかには課題があります。
また、国では「ライドシェア」の導入が議論されています。
これは一般ドライバーが自家用車で顧客を有料送迎する仕組みです。
デマンドタクシーとライドシェアを併用することで、より柔軟な公共交通の形が見えてくるのではないかと考えています。
おわりに
公共交通が不足すれば、移動が困難になる地域が広がります。
また、高低差や地形を考慮した交通不便地域の解消も急務です。
今回の実証実験が新しい公共交通の可能性を示すきっかけになることを期待しています。
皆さんも、ぜひこの新しい取り組みに関心を持ち、活用してみてください。
今後も皆さんの暮らしを支えるために、全力で取り組んでまいります!
